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インプラント

はじめに

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「この歯は抜いてインプラントにしませんか?」

インプラントが広く普及し、一般的な治療法になってきている近年ではこの様な会話が珍しくありません。

では皆さんは”インプラント”と聞いてどの様なイメージを受けますか?

多くの方は「痛い」「怖い」「危ない」などの印象をお持ちではないでしょうか。

インプラント治療は近代歯科医学において、歯に苦しむ多くの患者さんを救う福音となり得る素晴らしい治療法の1つであります。

 しかし残念ながら万能な治療法など存在しません。

 ましてや神様から授かった天然歯に勝るものは人間の手で作る事は今のところ不可能である事実は、多くの歯科医師の共通認識であると思われます。

 それにも関わらず歯科医院のホームページや看板でインプラントの広告が異常に溢れているのはなぜでしょう?

そこには日本の歯科医療制度(保険制度)に根ざした問題があるように思います。
(この件は複雑な問題でもありますので、ここでは触れません)

インプラントに関して必要以上に過大評価も過小評価しないためには、ある程度の知識を持つ必要があります。

そこで以下に簡単にインプラントの歴史や当院におけるインプラント治療への認識を記載いたします。

インプラントの歴史

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現在のインプラント治療は1952年にスウェーデンの整形外科医であるDr.ブローネマルクが骨とチタン(現在のインプラントで用いられている金属)が結合する”オッセオインテグレーション”という現象を発見した事によって確立されたと言われています。

この”オッセオインテグレーション”は現在のインプラント治療においても、最も重要な概念です。

その後多くの改良が加えられ、現在のインプラントの生存率は95%程度と発表されています。
(*世界最大のインプラント治療の学術団体ITIが、1995年から2002年までに行われたStraumann社インプラントの3.5年生存率)

インプラント治療の流れ

以下に簡単にインプラント治療の流れを説明いたします。

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インプラント体(フィクスチャー)を顎の骨に埋め込む外科処置を行います

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②数ヶ月後に土台(アバットメント)をインプラント体(フィクスチャー)に取り付けます

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被せ物(上部構造)を土台(アバットメント)に装着して終了です。

インプラント治療のメリット

ブリッジや義歯との比較
「インプラント」「ブリッジ」「義歯」の特徴を簡単にまとめると以下の様になります。 

   インプラントブリッジ義歯
 治療期間 比較的長い(数ヶ月~) 比較的短い 比較的短い
治療費 自由診療のみ 自由診療と保健診療がある 自由診療と保健診療がある
残存歯 無し 負担をかける、削る必要もある

負担をかける、削る必要があることもある

違和感 天然歯に近い 多少の違和感がある 違和感を感じやすい
外科処置の有無 必要 必要無いことが多い 必要ないことが多い

*条件により異なる場合があります

天然歯に近い咀嚼機能の回復

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インプラント治療の大きなメリットの1つは「咀嚼機能の回復」です。

インプラントは強固に骨に結合しますので、天然歯に近い咀嚼機能を発揮することが可能です。

*柔らかい粘膜の上に支えられている義歯では、天然歯に比べて咀嚼機能は20~30%に留まると言われています。

「何歳になっても御家族やご友人と同じものを美味しく楽しく食べられる」という食事の喜びはとても大きいのではないでしょうか。

残存歯の保護

私がインプラント治療のメリットとして重要視しているのは、残っている他の歯への影響を最小限に抑える事が出来るという点です。

ブリッジ、義歯は共に欠損部にかかる力を残存歯で負担することになるので、歯周病の進行、歯の破折などによって、さらなる欠損の拡大に繋がるケースが多いと言われています。

欠損(歯が無い部分)が拡大すると、少なくなった残存歯にさらに負担がかかり、ドミノ倒しの様にさらに欠損が拡大していくという負のサイクルに入り込んでしまいます。

一方、インプラントはそれ自身が独立して噛む力を受け止める事が出来ますので、欠損のドミノを止められる可能性があります。

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上部構造の多様性

骨の中に埋まっている部分を「フィクスチャー(もしくはインプラント体)」と呼ぶのに対して、被せ物の部分を「上部構造」と呼びます。

上部構造は、歯の形をした被せ物以外にも、入れ歯を安定させる為の物などに変更可能です。

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つまり将来欠損が生じたとしても、上部構造を変える事で様々な状態に柔軟に対応可能であるという点もインプラント治療の利点です。

インプラント治療の注意点

次にインプラント治療を検討する上での注意点を挙げます。

インプラント周囲炎に対する配慮

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天然歯が抜歯になる原因のほとんどは「虫歯」「歯周病」「破折(歯が割れる)」です。

ではインプラントを抜かなくてはいけなくなる原因はあるのでしょうか?

インプラントは人工物ですので、虫歯になることはありません
また、インプラント体(フィクスチャー)はチタンという非常に硬い金属を使用していますので、割れることもほとんどありません。

その点ではインプラントは安心です。

しかし、歯茎と骨に埋まっているという点は天然歯と同じなので、”歯茎と骨の病気”である歯周病には罹患します
インプラントの歯周病は学術的には”インプラント周囲炎”と呼ばれます。

そのため、歯周病で歯が抜歯に至るのと同様にインプラントも歯周病で抜歯に至る場合があります。

そしてインプラントは”人工物=異物”であるためにインプラント周囲炎に罹患したら、天然歯の歯周病より進行のスピードが早いと言われています。

さらに厄介な事に現在”インプラント周囲炎の決定的な治療法は見つかっていない”という問題がまだ残っています。
*レーザー治療、薬剤を用いた化学的療法など様々な治療法が提唱されていますが、根本的な治療法は確定していないようです。

これは全世界の歯科医師が頭を悩ませている問題です。

ですので、まずはインプラント周囲炎に罹患させないことが第一です。

それにはインプラント治療が終わっても歯科医院でメインテナンスを受けることが大切です。

メインテナンスの際に、クリーニングだけではなく、以下の内容が行われます。

  • 御自身のお手入れの状態について助言を受ける
  • 噛み合わせのチェックをしてもらい、必要に応じて噛み合わせの調整をしてもらう
     *負荷がかかり過ぎることもインプラント周囲炎を悪化させる要因になります

インプラントを施術する歯科医師がインプラント周囲炎を起きにくい様な環境作りや、適正な位置にインプラントを埋入(埋め込むこと)も、もちろん大事です。

歯根膜が存在しない

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上のイラストの様に、天然歯とインプラントの構造は似ているようで大きな違いがあります。

それは”歯根膜(*イラストのPeriodontal Ligament)”がインプラントには存在しないという点です。

天然歯に存在する歯根膜の役割のとしては

  • 歯に強い力がかかったときにショックを吸収する作用
  • 歯にかかっている力を感知するセンサーの様な働き
  • 周囲の組織への血液供給
  • 周囲の組織を再生させる働き

といったものがあります。

一方インプラントには、骨との間に歯根膜が存在しませんので、

  • インプラントにかかる力が支えている骨にそのまま伝わる
  • インプラントにかかっている力を感知する能力が低くなっている
  • 周囲の組織への血液供給が無いので、感染(インプラント周囲炎)が起きた時に感染が拡大しやすい

という特徴があります。

このインプラントの特徴を補うために「インプラントにかかる噛み合わせの力」と「インプラント周囲炎」への配慮・メンテナンスが必要になります。

天然歯に勝るものはありません

この様にインプラント治療は多くのメリットがありますが、完全無欠な治療法ではありません。

「抜歯してインプラント」という治療法は、治療期間も短く一見良さそうに見えますが、保存できる望みがあれば手間や時間がかかったとしても歯周病治療や根管治療を行い、天然歯を保存する事をお勧めいたします。

しかしどうしても抜歯しなければならない歯や、元から欠損している部分には、インプラントが今のところベストな場合が多いと考えております。

もちろん状況に応じてブリッジや義歯が第一選択になるケースもあります。

まとめ

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以上の事からインプラントに関して簡単にまとめます。

  • インプラントは非常に素晴らしい治療法ではあるが、天然歯と全く同じでは無いのでその点をドクター・患者さん共に理解している必要がある
  • インプラント治療が終了した後は、メインテナンスが必須
  • インプラント一辺倒ではなく、天然歯の保存や他の治療法も含めて総合的に治療計画を立てる必要がある

「骨が足りない」「骨が薄い」などの理由で他院でインプラントを断られた方、インプラント治療に関して意見を聞きたい方もお気軽にご相談下さい。

最後にインプラント治療に対してよくあるご質問にお答えいたします。

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「手術はとても痛いのでしょうか?」

手術中は麻酔が効いている状態ですので、痛みを感じることはありません。

術後の痛みは、手術の方法や範囲によって異なりますほとんどの方は数日で治まります。

また、その痛みも日常生活に支障をきたすほどではありませんし、鎮痛剤を服用すれば抑えられる程度です。

「インプラント治療は危なくないですか?」

近年、テレビや週刊誌などでインプラント治療に対して警鐘を鳴らす報道がなされています。

またインプラント治療に関する医療訴訟も多いと聞きます。

しかし、だからといって「インプラント治療 = 危険」と考えるのも早計です。

どんな外科処置にリスクが存在するように、インプラント手術にはリスクが存在します。

損傷してはいけない組織(神経や動脈)が術野近くに存在する部位や、骨の高さや厚みが不足するようであればCTや模型上などで術前に詳細なシミュレーションを行うことで、偶発的な事故を避ける事は可能です。

術前のシミュレーションでリスクが高いと判断した場合には、インプラント治療を行わないという決断をすることもあります。

逆に、詳細な検査やシミュレーションで安全性が高いと判断した上での手術であれば偶発的な事故が起こる可能性は低いと思われます。

「どれ位持つのでしょうか?」「インプラントにしたら一生大丈夫なんですよね?」

インプラントを行なった部位の骨の状態、歯周病の状態によって左右されますが、一度骨と結合したインプラントが数年で駄目になることは少ないと考えています。

10年や20年といった長期的に持たせることは可能ではありますが、必ず一生持たせることが出来るというものでもありません。

インプラントの予後にはお手入れの状態を含め、色々な要素に影響を受けます。
上記の「インプラント治療の注意点」の項をご参考にして下さい。

「怖くて踏ん切りがつきません」

御自身にとって初めての治療、ましてや外科処置であれば怖いのは当たり前でしょう。

体の他の部位でも全身麻酔での手術前に不安や緊張を感じない人はほとんどいないと思います。

人間は未知のもの、自身の体に侵襲を加えるものに対しての防御反応として恐怖を感じます。

実際の手術は、虫歯治療と同じように局所麻酔で無痛的に治療が可能です。

また、1本の手術であれば、通常は抜歯と同じ程度かそれ以下の侵襲です。

実際に受けられた方からは

「思っていたより全然楽でした」

「もっと早くやれば良かった」

というお言葉を頂くことが多く、中には手術中にリラックスして寝てしまう方もいらっしゃいます。

どうしても恐怖心があって決断が出来ない方に対しては、麻酔科医と協力して静脈内鎮静法を行うことで、寝ている間に手術を終わらせる事も可能です。

「CTやMRIが撮れなくなると聞きましたが、どうなのでしょうか?」

確かにCTやMRIは金属によってアーティファクトという偽所見・虚像が生じます。

しかしその範囲は限られているので、脳や耳鼻咽喉部の範囲での影響はほとんど無いと考えて良いのではと考えます。

逆にもし影響があるとしたら、多くの人がお口の中に金属の被せ物や詰め物が入っていたらCTやMRIが撮影出来ないということになってしまいます。

また、義歯の安定の為にインプラントとマグネット(磁石)を利用した義歯を作製することもありますが、磁石が入っているのは義歯のみですので義歯を取っていただければ撮影可能です。

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