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CASE2:根にヒビが入っているので、他院で抜歯してインプラントにすると言われた歯を修復したケース(60代女性:主婦)

経緯

患者さんは左下第一大臼歯部に違和感を覚え、他院にて治療を始められましたが、根の内部に亀裂が入っている為に抜歯を宣告されました。抜歯した後にはインプラント治療を勧めらましたが歯の保存を諦めきれず、旦那様が通っている事からセカンドオピニオンを希望され来院されました。

所見

ご本人の自覚症状としては、お食事の際の違和感のみで著しい痛みは無いとのことでした。
視診の所見では歯牙の動揺、歯肉の腫れなどの異常な所見はありませんでした。
レントゲン所見から根管治療の不良(根の先端までお薬が入っていない)が見受けられます。
*レントゲン及び口腔内写真は前医からご提供いただきました

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診断

根管治療の不備および歯根破折による辺縁性・根尖性歯周炎

治療方針

まず根管内を観察し、亀裂や根管内の汚染の状態から保存が可能か判断します。
診断の結果保存出来る可能性があるようでしたら原因の除去を行う事といたしました。

隔壁の作成・汚染部位の除去

↓唾液からの感染を防ぐためにレジン(樹脂)で隔壁を作ります

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感染していると思われる歯質を除去していきます。

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消毒液で洗浄しながらきれいにしていきます。

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根管内のクラック(亀裂)の評価

↓前医の先生が指摘した通り、亀裂が入っています

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保存は厳しい状態でしたが患者さんの強い要望もあり、保存を試みることといたしました。

根管充填

↓亀裂の修復に先立ち、先に通法通り根管充填を行いました。

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亀裂の修復(クラックリペア)

↓改めて虫歯の取り残しが無いか染色液で確認します。

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↓ダイヤモンドコーティングされた超音波チップで亀裂部周囲を除去していきます。

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↓穴が空いてしまうギリギリまで亀裂部を除去します

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歯科用接着剤で修復します

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支台築造・歯冠修復

↓天然歯の象牙質に近似した物理特性を持つファイバーコアで歯の形態を築造し、セラミックの被せ物に適した形態に整えます

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↓セラミックで形態を修復しました。(手前の歯の2本の歯を修復した後の写真です)

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↓処置前

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↓修復後のレントゲン写真です。

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根管内の汚染の汚染の除去・亀裂の修復を行い、現在は良好な経過を辿っています。

しかし、削ると歯に穴が空いてしまう部分の僅かな亀裂は残っていることから、予後を注意深く観察する必要があると思われます。

まとめ

今回のケースでは患者さんの歯の保存への強い希望と年齢を考慮し体への侵襲が少ない保存的な処置を選択しました。

将来的に抜歯になったとしても、年齢的にインプラントではなくブリッジによる修復も合理的な選択肢ではないでしょうか。

治療法の選択は、歯の状態だけではなく患者さんの価値観・年齢を考慮したライフステージなど総合的に判断する必要があると考えます。

【治療回数:4回 治療費用:260,000円】

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